ワイドショーなどで「ドコモ口座」に地方銀行などの口座から不正に振込が行われて引き出されてしまったというニュースが流れた。「d払い」と言う言葉は聞いたことがあったけれど「ドコモ口座」と聞いて、一瞬「えっドコモが銀行作ったの？」と思ってしまった。
私も 電子決済は Payxxx など 複数利用しているが、当初こそかなり神経質に口座の入出金をチェックしていたものの、公共料金やネットショップ、オークションなど 十数件／月以上になってきて、しかもサービスによっては利用できる対応口座が限定されていたりして出金口座も複数利用になり、それにクレジットカード(これも複数)まで広がってくると、正直追いかけるのが大変。どれかにまとめたいと思っても、公共料金などは口座の切り替え手続きは結構煩雑だから後回しになってしまっている。そんな中でこのニュースでドキッとさせられた。
しかも、こうした番組ではあまり触れられていないが当初　ネットバンキングの手続きをしてなければ大丈夫だろう、と高をくくっていたがどうやらドコモ口座側からの振替手続きで既存の銀行口座から引き出されるということで、全ての口座で可能性があるらしい。公共料金の振替などでは本人なりすましの危険性が殆どないにも関わらず、郵送資料で判子を押して本人確認資料を同封して、場合によっては通帳の表紙のコピー同封・・・などと非常に煩雑な手続きが必要なのに比べると「d払い」は買い物などに使えるから狙われやすいのに反して肩透かしを食らったように簡単な手続きだというから驚き(と言いつつ、私が Payxxx を利用開始した時も、「えっ！？これでいいの？」とびっくりしたが)。

よく聞いてみるとどうやら最大の問題はドコモ口座の開設方法にあるようだ。プリペイド専用で最高 10万円／1回ということでセキュリティを見くびったのか、大胆に手続きを省略したようで本人確認なしのフリーメールアドレスでも口座開設出来てしまうらしい。携帯番号宛のショートメール確認すら利用していないと言う。・・・・ドコモってあの日本最大の携帯電話会社だったような気がするが、思わず「本当かい？ そこいらの弱小会社じゃないんだから！脇が甘すぎだろう！」とツッ込みたくなってしまう。
私のところにも従来から図のようなスパム・・・というより詐欺メールが頻繁に届いている。1万件こうしたメールを送信すれば、恐らく何人かは慌てて点線四角内のリンクをクリックして、金融機関のHPを似せたページに騙されて口座番号や暗証番号を入力する人がいるんだろう。メアドリストなんて安価で取引されているんだろうし自動化すれば送信にほとんど手間はかからない、オマケに海外のProxyを経由すればほとんど追跡不可能だから「組織」にとっては濡れ手に粟のような美味しい話なんだろう。
図のメールも宛名が漢字名ではなくて メアドだったりして分かる人から見れば一見して胡散臭いメールだが、スマホだけだとなかなかこうしたメールの真偽を見極めるのは難しいのかも知れない。ただ　まずは下線の差出人の欄のドメイン名をチェックすることが肝心だと思う。ここが金融機関とは関係ないドメインだったら絶対に詐欺メールだ。Amazonや楽天などを騙った「IDがロックされている」「支払いを停止している」などの詐欺メールも頻繁に来るが、全てドメインはそれらの公式なドメイン名は含まないランダムなメアドで一見してそれと分かる。
もう一つは、こうしたサービスに登録するメアドと常用メールのメアドは分けていたほうがいい。常用メールにこうした詐欺メールが届いても、登録してなければ来るはずないから即詐欺だと分かる。
まぁ兎に角、僅か１年前には 7Payが「2段階認証のプロセスがなかった」と言うセキュリティ問題で開始早々撤退しているというのに、ドコモという ITの金看板の下にも関わらず仮初にも金融システムが非常に安易で　さも「さあ、持っていってください」と言わんばかりの作りだったことは驚きだ。