『流れない水は腐る――「良い人」が引き起こす汚職の構図』
No.177-178 にも引用した、ソフトブレーンの宋元会長の新しい
コラム。福島県知事の兄弟や上海市書記の汚職事件を例に上げて、元々は「良い人」が「長期間の権力が人を腐敗させる」という我々人間が内面に抱える「負の原理」によって腐敗してしまうという、表題の中国の諺を引用した警鐘だ。福島県知事も上海書記も、元々は大志を抱いて、市民の期待を一身に受けてその職に就いたにもかかわらず、長期にわたって座り続けたことにより、いつしか初心が失われ、身内に灰汁(あく)が溜まりすぎてしまったと言っている。
タイトルに惹かれたが、宋氏の言葉とは知らず、クリックしたら何とまた宋氏だった。腐敗や堕落そして停滞を懸念して自分で立ち上げたソフトブレーンを自ら辞したという氏が自ら語ると言葉に重みが感じられる。
実は、この言葉、もう20年近く前になるが、私自身が最初の職場であるカメラ開発に15年くらいいた時に、「もうカメラ開発では私のやることが無くなった。このままここに居続けると純粋な開発エンジニアとしてではなく、別のことに気をとられそうだ」と感じて開発から出たときに、最後の挨拶で心中を吐露した言葉と同じだった。
『水も澱めば腐るというが、私もこのままここに留まって腐ることが怖い』
それまでの実績の上に安穏と過ごすこともあり得たが、怖いもの知らずというか、年配者から見れば生意気な、と思われたであろうが、今から見ればあのときの決断は正しかったと思う。
そんな経験も手伝って、つくづくこの人の考えには共感させられる。