e日記風 独り言

気まぐれ & 気まま & 天邪鬼な老いぼれ技術屋の日々の記録のうち、商品開発や殺菌などは仕事として関わったため、若干のウンチクなど並べてみたくなります。
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-1245- ムード商品:その2
昨日の続きで。
同じように殺菌を売りものにした家電製品で、悪性インフルエンザなどの流行が騒がれるようになって売れ行きを延ばしているものに空気清浄機や殺菌機能付きエアコンなどの空気関連商品がある。ナノイーとかプラズマクラスタとか、メーカーによって言い方はいろいろだが概ね荷電粒子を放出して空気中の細菌やウイルスをやっつけると言う宣伝。
3年ほど前まで殺菌フィルターにかかわっていた際に、なぜイオン粒子などに殺菌力があるのか勉強した経験から、これらの商品もかなり怪しいと思っている。以下その根拠を長くなるが説明する。
ウイルスは蛋白質の固まりでそれ自身では増殖力を持たないが他の微生物や動物の細胞中に取り込まれて同種の蛋白質粒子を増殖させると言う特性を持つ。細菌は細胞膜に囲まれた単細胞微生物。どちらも様々な元素分子が複雑に結合した有機物の生命体だが、それぞれの本体を構成する様々な分子が一つのウイルスや細菌の組織として形をなす結合力は水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、疎水結合などの力とされており、それらの力の殆どは分子中の荷電粒子が持つ電気力が関与している。私の理解ではそうした結合の近傍に電気的に中性でない電荷をもったイオン粒子などが近付くと、その電気力(プラス電荷とマイナス電荷間の引力)が働いてウイルスや細胞の構成部位にくっつくので、本来の結合力が阻害されて機能しなくなり増殖できなくなると考えられる。
で、これらの殺菌をうたう商品は空気中を漂う裸のウイルス粒子や細菌細胞の表面に、機器から放出した電荷をもった荷電粒子を付着させることで蛋白質や細胞膜の働きを阻害し増殖させないようにするというのが殺菌原理。
しかし、イオン粒子には害のある細菌やウイルスだけにくっつくなんて言う選択能力は無いので、空気中を浮遊していれば人間やペットなどの皮膚や粘膜にもくっついて影響を与えるが、動物の皮膚組織も細胞の集まりなので、当然荷電粒子がくっつけば機能に障害が起きる。荷電粒子の密度が低ければ皮膚細胞の蘇生力で修復されたり老化した皮膚同様細胞が生まれ変わるので問題はないが、荷電粒子に侵された細胞の密度が高くなると修復が追い付かずアレルギーや炎症などの障害が顕在化するんだろうと考えている。
もっと分かりやすい例では、プールなどで使われる塩素水では殺菌効果が顕著だが、殺菌効果と同時に目や鼻孔に対する刺激も結構あることを考えれば納得できると思う。つまり、水中で殺菌しているのにそこから蒸発した塩素分だけでもあれだけの刺激があるんだから。
更に、荷電粒子が細菌に到達する前に他の粒子にくっついたり、一定時間内に到達しなければ電荷は失われ効果は無くなるので もし空気中に飛散する埃や飛沫などにある割合で荷電粒子をぶつけようとしたら甚だしい濃度の荷電粒子を放出せざるを得ない。しかしそんな濃度の荷電粒子を放出したら、その近傍に人体があればその人体の粘膜細胞の表面は恐ろしいことになるだろう。だから、こうした装置は人体に絶対に影響のない濃度の荷電粒子しか放出できない。 この人体に安全な許容濃度の荷電粒子でどれくらいの実質的な減菌が可能なのか? 某有名大学の付属研究所ではこうした企業の委託研究で殺菌効果の実験をやっており、一般的な話としてしか聞けなかったが、効果を示す実験結果を出すのにかなり苦労しているようだ。実験室でさえそうした状況なんだから、空気の流れが複雑で埃の多い一般家庭の部屋でどれくらい効果があるのか? 非常に疑問がある。
しかし別の面から考えると、こうした機器を部屋に設置したとしても一般人はその部屋だけで生活することは不可能だから、不幸にして感染した人がその部屋で感染したと言うことを証明することも不可能だ。
つまりは、他の機能とは違い「殺菌」という機能は例え効果が不十分でも商品が不良だと言うクレームはほとんどつけられないというオイシイ特性を持っている。その辺りが良く分かっていない消費者は「殺菌機能が付いているから付いていないより安心」というムードに金を払って買っているとも言える。

今日の写真はしばらく前にもアップしたコブシの実。果皮が剥けて種が露出していた。種を覗かせた姿もより一層グロテスクだ。この姿形では誰も食べようとは思わないだろうが、どうも毒まではないかも知れないが食用は出来ないようだ
殺菌 商品開発 商品のウンチク
2014/10/22