マウス操作暖房機の製作    2012/01/25


去年の震災以来、世の中の節電の機運が広まり 北側の部屋でパソコン作業するのに今まで何も考えずにエアコンを使用していた唯我独歩の私でもさすがにエアコンのスイッチを入れるのが憚られるようになった。夏場は扇風機で汗をかきかき何とかしのいだが、冬場はさすがに老骨にはきつい。身体本体は厚着をして下肢は膝掛け+厚めの靴下で頑張り、それでもどうしようもないと 申し訳なさげに 20W程度のソフト電気アンカで凌いでいたが、なにしろ手が冷たい。操作しないときは指先をポケットに入れたり足と椅子の間に挟んだりしていたが、キーボードを打ち続けることは少なくてもマウスから手が離せないことは多い。指先をカットした軍手も作ったが、作業が長時間になるとそれでもつらい。PCに向かっている間中は何も働かない足先がアンカでぬくぬくしているのと対照的だ。Webを検索すると USB手袋みたいなものがあって、USB電源で手袋の繊維の中に織り込んだヒータで温めるものもあるようだが、結構高そう。しかも指先は露出。もっと安価に手先だけ何とか効率よく温めたいと工夫してみた。
お断り:この記事は私が実験的に行った製作記事であり「真似」や「参考」にした場合に火傷・感電・火災・その他一切の事故または事態が生じても私は一切責任を負いません。

  1. アイデア

  2. 発想は 昔子供のころ縁日で売っていたヒヨコを飼うための飼育器。あまりはっきりとは覚えていないが、冬の寒い間はヒヨコを飼うのに 数十W程度の電球をヒーターとして使っていたような記憶がある。電球も結構な発熱を伴うので熱源として利用できる。あるいは高校時代放送委員会に所属していたが、冬の間の役得は管球式アンプの電源を入れておいてその上に弁当を載せておけること。他の人たちは氷のように冷め切った弁当を食べているのに、放送委員の一部だけは登校したらまずアンプの上に弁当を置いて授業に行く。昼休みは放送室でぬくぬくとした弁当を食べられたという美味しい思い出。
    で考えたのが下のような装置。これをマウスにかぶせたら快適なんではないかということ。ただし、電球をそのまま AC100Vにつないだのでは熱も明るさもかなり強くなるだろうという目論見で、100V 20Wくらいの電球を半分以下の電力で使うことで光よりも遠赤外を多くして効率的に手を温めようという魂胆。
  3. 購入物

  4.  何時ものようにまず百均で利用できそうなものを物色。下の写真のパンケース(12Wx20Dx14H)と15Wレフ電球を購入(写真は 40Wだが別途 15Wを購入)。さらにホームセンターで レフ電球用のソケットをこれも 100円で購入。電線を接続するためのコネクタや電力調節用のダイオードは部品箱の中のストックを使用。出費は消費税込みで総計 310円。


  5. 加工

  6.  ポリプロピレン製のパンケース本体を逆さにして底の部分に 22mm程度の穴をあけそこにE17口径の電球ソケットの首を通して固定。固定といっても開けた穴はかなりいびつな円なので丁度無理やり押し込んだだけでかろうじて止まっている程度。パンケースの内側から電球を挿入。購入した電球は 15Wなのでこのまま 100Vで点灯させるとさすがに熱過ぎてちょっと触っただけで火傷するだろうという心配から電力調節することにした。しかしPWMなどで本格的に制御するのはちょっと大げさ。というよりズクがないので使い勝手が分かる前に回路を組む気にならない。とりあえず簡単に半分の 7~8W程度になればいいかと 電球ソケット部分にダイオードを挿入して半波整流。試しに点灯してみると明るさは 5Wのナツメ球程度。電球フィラメントのタングステンはかなり 正の温度計数を持っているので実際には半波にしても電力半分ではなくもう少し消費していると思うので大部分は遠赤外線として放射されているはず。というより、この際細かなことは無視。手が触って火傷しなければいい。
    後は、手を突っ込む側のケース部分を糸ノコで切り取って完成。切り屑が出るので寒風吹きっさらしのベランダで作業したため、丁寧な仕事にはならずかなりいい加減な切り口になっているが、この際瞑目。穴あけ部分もポリプロピレンは結構割れやすくヒビが入っているが、とりあえず実証確認用と割り切った。


    これで実際に 2日ほど作業しているが温度的にはしごく快適だ。かなり寒い夜でも Web検索やメールチェックなどのマウス操作をしている限り手が冷たいということはない。しかしこのページの記入などやっぱりキーボードにまったく触らないというわけにもいかないので、キーボード作業が長くなると今度はキーボード用のヒーターが欲しくなった。しかしキーボードは細長いので適当なカバーが見つからず目下思案中。それとキーボードからマウスに手を移す際についうっかりケースを弾き飛ばして落下耐性実験 2回。固定方法を考えるという追加課題が明らかに。

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