e日記風 独り言

#気まぐれ & 気まま & 天邪鬼な老いぼれ技術屋の日々の記録のうち、私の興味ある電気製品やスマホ、あるいは世の中のサービスに関する記事です。
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楽 天 の 商 品

-1957- ソーダ商品:その2
前回に続き TVCFや新聞広告を見てこれこそ「ソーダ商品」だ、と思った商品について取り上げるが、現役引退後しばらく殺菌技術について勉強したこともあり、殺菌を謳う商品がどうしても目についてしまう。
そもそも「殺菌」「除菌」を謳う商品は、消費者の「安全そうだ」「清潔そうだ」という安全意識に付け込んで販売されているが、実験室レベルでのデータならともかく実際の使用環境ではその効果は測定がほとんど不可能で、且つそこまでの必要性がないものも多く、実際には謳い文句の効果が疑わしいという商品が多い。有名なところでは暫く前に小林製薬が公取委から排除命令を受けた「銀イオン」を利用したという商品がある。あまたある疑わしい「殺菌」商品の中で何故小林製薬のものだけが公取委から槍玉に上がったのかと言う疑念も別にあるが、それはともかくこの「銀イオン」というのは確かにある条件下では殺菌効果を発揮するが、通常の金属銀から「銀イオン」を生成するにはそれなりの装置が必要で、さらに通常の水中では生成された銀イオンは水中の細菌以外のマイナスイオン物質(水道水中の塩素イオンなど)とも結合して銀化合物となって活性力を失うので、マイナス電荷を帯びた細菌に有効に結合するためにはかなりのコントロールされた環境下でないと困難とされている。従ってほんの僅か溶ける薬剤を流水中に置いただけで銀イオンによる効果的な殺菌が行われるという主張はあり得ない話だが、それをあたかもこの商品を使えば効果的な殺菌が行われるかの如く大々的に宣伝し過ぎたので、私ならずとも苦々しく思った人がいたらしく公取委に「刺された」のだろう。
さてここからが本題だが、今日取り上げるのは「レイ○ップ」なる布団専用の掃除機。布団のホコリを吸い取りながら紫外線で殺菌も出来ると謳って TV通販などで販売している商品だが、すでに Webのアチコチで殺菌やダニが死滅するとされる宣伝文句に対する疑問が呈されているようだ。
確かに紫外線には殺菌力があり、衣類などを太陽の直射光に当てると細菌は死滅することはよく知られている。しかし下着やタオルのような一重の薄物を数時間直射光に晒す場合ならともかく、分厚い布団の表面を掃除機のように撫でるようにする間だけ UVランプを照射したとしても、時間も僅かだし UV光は布団表面にしか届かないから多くの菌が潜んでいるであろう布団やマットレスの内部には「殺菌」「除菌」を謳えるほどの効果は期待できない。そもそも布団を日干しした場合には紫外光による殺菌というよりは赤外光により布団内部の温度が上がって乾燥することで殺菌や殺ダニ効果が得られ臭気も軽減されるという効果のほうが大きいのであって、温度を上げない「レイ○ップ」ではほとんど作業そのものが無駄骨折りになってしまう。
それでも、ああした大々的な宣伝が行われると殆どの人が「良さそうだ」と思ってしまうらしく何百万台という商品が売れてしまう。(2015年5月に 300万台販売という発表があったらしい) 
まぁこうした「ソーダ商品」は消費者の本当のニーズから売れているのではないし、実際に買ってみても日々布団に掃除機をかけるのは結構な手間で面倒くさいから、恐らく 300万台のうち 9割方の商品は数回使用しただけであとは押し入れに仕舞い込まれて忘れ去られているに違いないが。

今日の写真はこの冬も咲いた我が家のベランダのアロエの花。根っこも鉢からはみ出してほとんど栄養もないのに毎冬健気に咲いてくれる。
2018/01/19